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リスクを回避して効果的なSEOを実現するサイト移行ガイド

不適切なサイト移行プロセスほど、ブランドの検索パフォーマンスに悪影響を及ぼすものはありません。新規ドメインへの移行は多くの場合非常に複雑な様相を持つプロセスであり、すべて完璧に実施しなければ、オーガニック検索のトラフィックへ確実に悪影響をもたらします。

ご想像いただけることと思いますが、サイト移行はSEOにとって恐ろしい悪夢のような作業です。サイト移行が不十分であったASOS社の収益が87%減少した(英文)、という2019年の有名な事例を思い起こせば、この事実をよく理解いただけると思います。

サイト移行のプロセスには、検討すべきことが数多くあります。例えば、DeepCrawlなどの任意のウェブクローラーを使用したサイト移行前クロールの実施やリダイレクトの実施、スキーママークアップとサイトマップの更新、サーチコンソールの更新など、例を挙げればきりがありません。

もちろん、ほとんど全てのSEOはキャリアの中でサイト移行を経験することになります。

サイト移行業務の発生を想定している方や、今後起こるであろう当業務に備えたい方のために、DeepCrawlではサイト移行による検索パフォーマンスの阻害とビジネスの収益減を防ぐために必要なポイントをまとめました。


 

 

サイト移行時に旧サイトやブランディングについて確認が必要な7項目

1. URLs

完全に新しいサイトへ移行する場合(一般的にはURLの変更が必須のリブランディングプロセスにおいて)、単にトップレベルドメインのことよりも更にに多くのことを考慮する必要があります。

新サイトでのURL構造は、特に旧サイトと新サイトの構造が異なる場合には重要です。この場合、サイト移行では新たなサイトマップの作成や、ほとんどの場合robots.txtファイルの更新も必要になります。

2.コンテンツ

新サイト用の旧コンテンツのリファクタリングには、特に時間がかかります。

多くのコンテンツ管理システムには特定のフレーズの使用例をすべて検出し、置換する機能があります。一方でこれらは常に間違いなく機能するとは限らないため、サイト全体を手作業で確認することも必要になります。

では、何に気をつければ良いのでしょうか?ページ上のコンテンツにエラーが無いか確実に確認するだけでなく、サイト内のヘッダータグやメタディスクリプションが正確に記述されているかも、誤りがあることが多いため確認しておくと良いでしょう。

3.画像

altテキストや画像のタイトル、ファイル名など画像の命名規則に一貫性を持たせるようにすると、サイト移行中のプロセスの効率化につながります。命名規則が論理的であるほど、誤りを見つけやすくなります。

4.スキーマと構造化データ

旧サイト上で実装していた全スキーマを記録しておくと、サイト移行時に非常に役立ちます。組織やイベント、ローカルビジネスなど、将来的にサイト移行で確認することになる分類が多数存在します。

5.データベース

最初にサイト用データベースを設定する際、作成時のサイトに固有の命名規則を選ぶことが多いです。

データベースの名称変更だけでなく、各データベースへのすべての参照の更新を行い、サイト全体が想定通り機能し続けるように各データベースへの全ての参照を更新する必要があることを考えると、これは将来的に困難な作業となることが分かります。

幸いにも、これはクライアントに対する問題ではないため絶対に必要というわけではありませんが、名称を変更する際には注意するべき点の1つです。

6. Googleマイビジネスやソーシャルメディア、その他レビューサイト

完全なリブランディングと新URLへの移行を行う場合、ブランドのソーシャルメディアやGoogleマイビジネスのプロフィール更新も合わせて行う必要があります。

この作業をはじめから行うと、数週間掛かることもあります。完了したら新しいプロフィールと合致するように、サイト上のリンクも更新しておきましょう。

加えて、ローカルなビジネスの場合はYelpやTripadvisorといったサイトだけでなく、その土地に根ざしたリスティングサイトも確認しておくと良いでしょう。

7. 内部リンク

サイト内の内部リンクをすべて更新してください。また、外部サイトからの価値の高いバックリンクの存在を考慮すると、可能であればその外部サイトに連絡し、新URLへのリンク更新を依頼してせっかくのバックリンクの価値を失わないようにすべきです。
 

 

サイト移行の成功を左右するリダイレクトとその取り扱いの注意点

リダイレクトのマッピング

リダイレクトの1対1での割り当て

リダイレクトのマッピングを行う際に注意すべき点は少ししかありません。1つめは、リダイレクトを1対1で割り当てるようにすることです。旧サイト上に赤い長袖シャツのページがあるとしたら、新サイト上の赤い長袖シャツのページへリダイレクトするよう割り当てる必要があるということです。

過剰なリダイレクトの回避

すべてのページを新サイトの特定のURLへリダイレクトすることは避けましょう。リダイレクトは、ページが類似しており新サイトの方を代替ページとすることをGoogleに伝えるシグナルです。すべてのページを一箇所にリダイレクトしてしまうと、Googleの混乱を招いてページの価値を弱めてしまいます。

外部リンク

リダイレクトを適切にマッピングすると、新サイト上の適切なページへ誘導することにより旧サイトの外部リンクの価値を保つことができます。

リダイレクトチェーンの防止

サイト移行の実施時は、大量のリダイレクトチェーンが作成されていないことを確認する良いタイミングです。

新URLへの移行時、旧サイトのURLの状態を保つことが一般的です。つまり旧サイトのサイト構造やパスが新ドメイン上に存在するということになります。このような方法を取る場合、旧サイトからのリダイレクトチェーンなどすべての問題を引き継ぐことになります。

Googleは、5回程度のリダイレクトであればたどることができるとしています。そのため、長いリダイレクトチェーンがある場合、これを機にサイトの長期的な健全性を高めるためにこうしたリダイレクトチェーンを解消すると良いでしょう。

HTTPSプロトコルの使用

旧サイトにまだHTTPのリンクやリソースが残っていることに気づけていない可能性があります。

それらを見つけ、削除しましょう。ブラウザはよりセキュアなウェブの実現に継続して注力しています。セキュアではないサイトとフラグ付けされないよう、サイト全体でHTTPSプロトコルを使用していることを確認しましょう。
 

 

綿密なテスト

ディベロッパーだけがローンチ前にサイトをテストするべきではありません。潜在的なエラーが存在しないことを確認するため、できる限り多くの社内メンバーにサイトをテストしてもらうようにしましょう。

注意すべき点:

  • 新サイトの機能は同じか
  • コンバージョンへのパスは動作しているか
  • 新サイトはクロール可能か

DeepCrawlを使用するとサイトをクロール可能な状態にできるので、このプロセスに役立ちます
 

 

サーチコンソールへの新サイトの設定

新プロパティの設定

運用初日からデータを取得できるよう、ローンチ前に新サイトをGoogleサーチコンソールに設定しておくようにしましょう。

アドレス変更の登録

サーチコンソールのプロパティに、アドレスの変更をできるオプションがあります。このオプションを使うには、新旧サイトの両方がライブ環境に存在する必要があります。

否認ファイルの転送

否認ツールは、誤った使い方をするとサイトに問題を引き起こしかねないツールです。過去に否認されたURLすべてを有害なリンクとするようにしてください。問題なければ、同じ否認ファイルをそのまま新プロパティに対しアップロードしてください。

新旧サイトマップのサーチコンソールへの登録

「これによりGoogleのクローラーが旧URLから新URLへのリダイレクトを検出しやすくなり、サイト移行がスムーズに進むようになります。」Googleウェブマスターガイドライン
 

 

サイト移行の影響のモニタリング

サイト移行の効果を把握できるよう、新ドメインへの移行前にランキングとサイトのトラフィックをモニタリングして定量的に評価する準備をしておくことが重要です。

ある程度のボラティリティは想定しておくべきですが、結果が継続的に下降する場合は、潜在的な問題の把握に役立てるためにDeepCrawlを使用してクロールを実施すると良いでしょう。
 

 

最後に

ビジネスの状態がどんなに良い時であっても、サイト移行は注意を要する業務です。

サイト移行には無数の可変要素があり、すべてに注意を払って実行しなければ苦しい結果をもたらすことが多くあります。

しかし、この記事をお読みいただき注意すべき点とサイト移行の実行方法を学んでいただいた読者の方々には、ぜひ実際のサイト移行のリスクを軽減して成功裏に実行していただけましたら幸いです。