経験の有無を問わず、ECサイトのSEO施策を考える上で常に新しいものを学んでいく必要があります。技術的にサイトを調整することが好きだろうと、サイト上の文言が美しいコピーとして並ぶように表現を考えることが好きだろうと、我々は基礎的な内容を定期的にリフレッシュしていくことが求められているのです。
ECサイトのSEOの根幹はページ上における施策、すなわち、検索結果(SERP)において自社ページのパフォーマンスを競合のページよりも高くすることにあります。
例年に比べても今年は、商品カテゴリページの最適化が重要です。生活必需品に加え少々贅沢なもの(生活必需品ではないという意味で)の購入をオンラインで行う消費者が増えたからというだけではなく、例えばD2Cブランドをはじめとしてより多くの競合がオンライン販売に乗り出しているからです。こちらの記事(英文)をご覧ください。
こうしたECを取り巻く状況から、DeepCrawlでは、今後数週間、数ヶ月先でお役立ていただけるよう、この記事を作成することにしました。ECのカテゴリページをどのように最適化すれば良いのかについて、調査フェーズとアクションフェーズの主に2つのセクションに分けてご説明していきます。
調査フェーズ
成功するプロジェクトは常に綿密な調査からはじまるもので、ECのカテゴリページ最適化も例外ではありません。 計画や戦略を立てる前に、できるだけ多くの洞察を得ることが調査の目的であることを考えれば、調査は何らかのアクションをとる前に実行する必要があります。
調査を主な要素に分解すると次のようになります。
- キーワードリサーチ
- 競合分析
- SERP分析
- バックリンクの確認
また、上記以外でもユーザー行動を理解し、関係のある量的データをエクスポートするために、分析データを見ておくことも必要になるでしょう。
キーワードリサーチ
調査の第一ステップはキーワードを精査することです。過去に同じECブランドについてキーワードリサーチを行っていたとしても、現時点で変更が必要かどうか改めて確認する必要があります。
季節性や消費者の需要、トレンド、社会全体でのニーズなどの要素は全て検索ボリュームや実際のトラフィックに影響を与えるため、定期的にキーワードを検討、アップデートしておくようにすると良いでしょう。
キーワードリサーチでは、それぞれのECカテゴリページが互いに競合してしまわないように(キーワードカニバリゼーション)、別々のキーワード群に当てはめるようにしてきましょう。
競合分析
キーワードを精査したら、次に競合他社の動きにこっそりと探りを入れることが必要となります。自社の各カテゴリページに該当するページとして、競合他社はどのようなページを用意しているでしょうか?こうした作業は、言うなれば簡易コンテンツ監査であり、これをきっかけに他社との比較やトレンドの把握に繋がります。
よりしっかりと理解するために、ページタイトル、見出し、メタデータを確認しましょう。恐れずにコードを確認して、構造化マークアップがあるか確認してください。
SERP分析
次に行うべきは、検索結果で、自社の最も重要なECカテゴリページを手作業でキーワード検索することです。これを行うことで、どの競合他社がSERPで高いパフォーマンスをあげているか、またどんな検索結果がユーザーに表示されるのかを確認できます。
他のカテゴリランディングページがSERPに表示されているか、または異なるコンテンツが混ざって表示されているかに注目して確認してください。マルチメディアの形態かもしれませんし、ガイドやHow-toのような情報提供のためのコンテンツの形式の可能性もあります。
この分析を行うことで自社のページがどのくらいのパフォーマンスを上げるのか、また他のサイトとどの程度競合するのか、その可能性を測ることができます。
バックリンクの確認
最後に、バックリンクの状態も忘れずに確認しておきましょう。Googleサーチコンソールやその他信頼できるツールを使うことで、最新・過去の参照ドメインを確認したり、それらがどのページに対してリンクされているか確認したりできます。
リダイレクト(または古典的な方法)により解決できる壊れたリンクを見つけることで、カテゴリページへのトラフィックを向上できる可能性があります。全てのオーガニックのバックリンクに対して、どのようなアンカーテキストが使用されているかを確認しておくことも必要かもしれません(これはキーワードリサーチで追加的に必要なことかもしれませんが)。
バックリンクの検証を通じて、他の技術的な問題を見つけることができる可能性もあります。プライマリのカテゴリページではない代替URLにリンクしているユーザーの目線でみていくと、この検証から改善方法が見えてくるかもしれません。
アクションフェーズ
2つめのパートは、アクションを起こす段階で、ここは調査フェーズで得られた検証結果のすべてを実行に移し、タスク化する段階です。例えば次のようなアクションが考えられます。
- ページの長さと質の調整
- 内部リンクの改善
- メタデータの更新
- 見出しと小見出しの更新
ページの長さと質
重要なキーワードでランクインしたコンテンツの種類を確認したら、次に主要なカテゴリページを全体的に見直していくことが必要になります。この時点では、ページはまだ単なる内部リンクでしかなく、これはマーケットにおける平均を表しているわけではありません。
「さらにコンテンツを追加すべきか?」、「もっとユニークなコピーを使ったほうが良いか?」、「可読性とアクセシビリティを改善する必要があるか?」などの質問は、計画を立てる上で常に自問すべき質問です。
量を増やすという目的だけでコンテンツを追加することは意味がないことに注意しましょう。調査フェーズで得た結果に基づいて意思決定を行い、このプロセスで(コンテンツ量がむやみに増えることで)UXが阻害されてしまわないよう気をつけるべきです。
内部リンク戦略
新しくカテゴリページを追加するのであれば、自社サイトの別ページから(内部リンクという形で)支援するようにしましょう。完全に孤立して良いページなど存在しません。孤立したページをユーザーが(そして検索エンジンが)見つけることがそもそも困難になってしまうからです。
当然のことながら、これは新しいページだけに当てはまることではありません。より広範な内部リンク戦略は他のページ間でのトラフィック獲得につながるということです。
メタデータ
ECサイトの規模が拡大すれば、スクリプトによって、少なくともスプレッドシートのロジック形態によってメタデータが生成される可能性が高くなると考えられます。これは各ページに必要なメタデータが存在していることの証明となりますが、人的な修正が加わらないとすれば少し”冷たい”感じのする仕上がりとなります。
パフォーマンスを上げたいページには”温かさ”を与えてあげる必要があります。スクリプトによって生成されたメタデータの代りに、手を加えたオリジナルのメタデータを使うと良いでしょう。そうすれば使用されているキーワードの関連性を向上させることができると実感でき、結果としてより多くのユーザーを検索エンジンから(サイトへと)クリックして遷移させることができるようになるでしょう。
見出しと小見出し
最後に、見出しと小見出しについても同様に目を配りましょう。h2やh3タグに関連性の低い小見出しが大量にある場合(これらはテキストの重要性を示すためというよりはデザイン上の仕様として作成されることが多い)、開発チームに依頼してこの問題を解決してもらう必要があります。これがテンプレートレベルで修正できるのであれば、尚良しといったところです。
こうした作業によりカテゴリページではるかに関連性の高い見出しと小見出しを作成することができ、これが必ず効果的なSEO施策となります。