デジタルマーケティング広告の評価基準は難しい
SEO担当者の努力や狙いにかかわらず、デジタルマーケティング広告は効果が現れないことがあります。実際に、マーケティング担当者のうち、マーケティング目標をたびたび達成すると回答したのは58%にとどまっています(英語)このギャップはどこからくるのでしょうか。そして、実際に目標を達成できていないと回答した残りの42%のマーケティング担当者の障害となっているものは何でしょうか。
デジタルマーケティングの潜在的な欠点を分析するにあたり、上記のギャップを特定するためにプロセスを初めから確認していきましょう。
マルチチャネルでのデジタル広告運用
一般的なデジタルマーケティングチームには、特定チャネルごとにいくつかの小規模なチームがあります。これらのチームすべて異なるKPIとパフォーマンス指標を持っており、こうした指標に基づいて各チームの評価が行われます。例えばSEOマネージャーはトラフィックと成長に関する指標の報告を、アフィリエイトマネージャーは売上とCVRについて報告を行います。
こうしたチーム毎の違いにかかわらず、デジタルマーケティング担当者全員がに課された重要な職務内容が1つあります。それは広告の作成・運用を行うこです。
各チャネルで運用されている広告を分析するにあたり、次のことを検討する必要があります。
期待される結果は何か?達成しようとしていることは何か?
一般的には、各チャネルからの会社のサイトへのトラフィックを増やすことが求められています。
カスタマージャーニーの途中でトラフィックがコンバージョンに至らなかった地点の特定
クロスチャネル広告でサイトへのトラフィック増加を目指すのは簡単なことではないのは事実ですが、私たちの多くがトラフィックがサイトに到達した後どうなるかを十分に考慮していないこともその要因の1つです。
ターゲットとするランディングページに技術的な問題が発生している場合を考えてみましょう。リダイレクト、読み込み遅延、カスタマージャーニーにおける何らかの行き止まり、モバイルでの使用不能などが考えられます。広告からコンバージョンに至るカスタマージャーニーで顧客は特定の期待を抱いており、ジャーニーの途中でこれらの問題に遭遇した場合(つまり期待に応えられなかった場合)、ユーザーは別の場所で商品やサービスを購入し、二度とサイトに戻ってくることはありません。それにしても、これはあなたが取るべきリスクなのでしょうか。
シンプルに考えて、サイトのページが適切に最適化されていない場合、広告の作成に費やした時間やこれらの広告宣伝のために潜在的に投入してきた予算、そして最終的に努力して築いてきたすべてのトラフィックが無駄になってしまいます。
顧客が期待する価値のあるユーザー体験を提供できない場合、広告を活用したサイトへの訪問を増やさないようにしましょう。
クロールデータを使用したカスタマージャーニーのモニタリング
実務において、特に大規模で構造の複雑なサイトにおけるカスタマージャーニーとユーザーの期待値のギャップのモニタリングは、クロールデータを活用すると簡単にできます。
サイトのクロールとは、サイトの技術的健全性をモニタリングしたり、、トラフィックが無駄になっている箇所にフラグ付けをしたりするための計測可能で自動化された方法です。サイトのクロールを行うと、コンテンツ、在庫状況、技術的な問題、壊れた内部リンクなどの各ページにあるすべての情報を収集することができます。
サイトのクロールからより多くの情報を抽出するには、異なるデータソースと連携を行い、クローラーが他のツールから以下のようなパフォーマンスデータを取得できるようにする必要があります。
- ユーザーデータ:ユーザーによってどのページが最も多く使用されているか示すトラフィック指標
- バックリンクデータ:– サイトに到達する参照元トラフィックとリンク資産を示す外部リンク指標
- 検索データ:– 検索エンジンの結果ページ(SERP)でページが表示される頻度を示すビジビリティの指標
- 検索エンジンボットデータ:–Googleとその他検索エンジンが最も訪問したページを示すリクエストの指標
さまざまなソースをクロールデータと併せて使うと、サイトの大小を問わず、サイトのカスタマージャーニーを非常に効果的に改善できます。ユーザーが訪問しているページに加え、ユーザージャーニーの次の段階に到達しようとしているユーザーにとって障害物となる現在のページ上の問題を正確に把握できるためです。
ウェブサイトクローラーを使うと、あなたの代わりに重要な確認をすべて行い、ランディングページ上の問題を通知してくれるので、関連する広告を開始する際にそのページが問題のない状態であることを確認できます。
優れたカスタマージャーニーとユーザー体験のためのサイトの最適化
どうすればユーザーの期待に応え、サイト上でコンバージョンを導くシームレスな体験を提供できるのでしょうか。
以下の4つは、カスタマージャーニーとコンバージョンのためのサイト最適化で検討するべき重要な点です。
- コンテンツ
- サイト表示速度
- リンク構造
- モバイルユーザビリティ
高品質で、独自性があり、クロール可能なコンテンツを充実させることは、間違いなくオーガニック検索において重要な掲載要素の1つです。Googleはコンテンツを非常に重要視しており、インデックスに表示される可能性のある低品質のコンテンツに対応するため、個別にパンダアルゴリズムを開始したほどです。
コンテンツは検索クエリに対する掲載順位のために重要なだけではなく、ユーザーに対してカスタマージャーニーの誘導を行い、納得してコンバージョンに至ってもらうために不可欠です。次の例で、どちらの商品ページがコンバージョンに至る可能性が高いか考えてみましょう。以下2つの事例ではどちらが効果的か、答えは明らかだと思います。
1.価格と「購入する」ボタンだけの商品ページ:
2.購入しようとしている商品そのものや品質を正確に把握することができる商品詳細と寸法情報、注文後いつ届くか想定できる配送情報、利用者からのレビューの形式のユーザー作成コンテンツが備わったページ:
The choice is clear.
クロールデータを使用したコンテンツの最適化
クロールデータによって内容の乏しいコンテンツや重複コンテンツのあるページが表示されるので、実際のユーザーに対して価値を提供していないページを把握することができます。また、ユーザーにカスタマージャーニーを継続させる要素となる固有で、エンゲージが高く、有益な情報のあるページで、更新するべきページがリスト化されます。
サイト表示速度は、ユーザー体験に大きく影響する要素の1つです。特に情報のスピーディな伝達が求められる昨今、読み込みが遅いサイトは人々にとって堪え難いものといえるでしょう。ユーザーは一般的に、2秒以内でページが読み込まれることを期待しており、それ以上かかる場合場合はサイトから離脱し、他のサイトにお金を落とすことになります。
読み込み時間と直帰率の間には明確な相関関係があります。平均的に、サイトはページ読み込み速度が1秒遅延するごとにトラフィックの7%を失い、ページ読み込み時間が10秒の場合はページ読み込み時間が1秒の場合に比べ、直帰率が123%高くなります。
読み込み時間の遅延は特定のページではなくサイト全体の問題であり、これがサイト中に拡がり、ユーザーを長時間待たせてしまうと、ユーザーは最初にどのページにたどり着いたとしても離脱してしまうでしょう。
クロールデータを使用したサイト表示速度の改善方法
クロールを行うことで、読み込み速度が遅いページを表示することに加え、これらの中で読み込まれた際にページ表示速度を下げるリソースの容量が大きすぎるページページを表示しますGoogle PageSpeed Insightsのようなツールでこのデータを見てみると、サイトのどの部分が最もユーザーの満足度を下げていて、ユーザーをサイトから離脱させてしまっているか分かるので、スピードを上げる必要があるページを特定できます。
内部リンクと外部リンクは、オーガニック検索におけるサイトの掲載順位と良いカスタマージャーニーの構築の両方に役立ちます。関連性があり自然な形でのバックリンクも同様に検索順位に貢献します。SEOによる各種の検証結果において、リンクはいまだに最も影響力のあるランキング要素のうちの1つであると一貫して証明されています。
外部リンクに関してカスタマージャーニーの観点から考えると、他サイトからリンクされているページは、別サイト経由のトラフィックに合わせて最適化される必要があります。人気のあるページが多くの外部リンクを獲得したとしても、発生している404エラーに対して代替ページへのリダイレクトが行われていない場合、別サイト経由の新規トラフィックを獲得と同時に失うことになってしまいます。
サイト上のカスタマージャーニーの基本として、サイトの内部リンクを最適化することも重要です。内部リンクはサイト上でユーザーをガイドする道しるべであるため、それが正しく機能し、ユーザーを迷子にさせないようにしておかなければなりおません。
クロールデータを使用したリンクの修復方法
別サイト経由やリンク経由でのサイトへの流入がどこから発生しているか、そしてこれらのトラフィックがその先の動きの中でどこで阻害されているかを確認することは非常に重要です。手作業で確認するよりも、クロールツールを使用してサイト上のすべてのページとリンクを検証しましょう。壊れた内部リンクのような問題を検出し、バックリンクデータを連携すればバックリンクのあるリダイレクトページのような、バックリンクされたページにある問題を幅広く修正することができます。
Googleがモバイルファーストのインデックスを開始するという最新のニュースに関して、モバイルにおけるユーザビリティ と最適化の重要性はこれまでにないほど高まっています。端末の使用状況としては世界的に見てモバイル検索のトラフィックがデスクトップを上回ったため、Googleはモバイルページを優先するためにインデックスの方法を変更しています。この大規模な変更に関する詳細と、それがサイトへ与える影響について詳しく知りたい場合、DeepCrawlが公開しているモバイルファーストのインデックスについてまとめた包括的なホワイトペーパーをご覧ください。
モバイルファーストの環境に適応するために検索エンジンの方針がどんどん変更されていくのにつれて、デジタルマーケティング担当者も変わっていかなければなりません。新規ユーザーがスマホを使ってサイトを訪問した際に、これらユーザーをサイトに滞在させ利用してもらうために有効活用する上で、モバイル最適化は欠かせません。これは、特にモバイルではユーザー体験の提供は基本的に1回きりであり、それが不十分であれば再度訪問することはなくなるからです。
クロールデータを使用したモバイルユーザビリティの改善方法
モバイルユーザーの使用端末に最も適したコンテンツを提供するようにしておくことが必要です。DeepCrawlとGoogleサーチコンソールのアカウントを連携することで、クロールデータを使ってモバイルとデスクトップに表示されるコンテンツの不一致を表示できるとともに、モバイル版のページが実際にモバイル端末で表示されているか どうか確認できるようになります。
デジタルマーケティング広告が失敗に終わる原因
デジタルマーケティング広告の企画と実施にはデータが足りていないことが多く、特に、クロールデータが不足しているケースが多いです。
サイトのクロールで得られたデータによりサイトの技術的健全性の全体像を把握することができるため、全体像からカスタマージャーニーの改善に役立つ洞察を得ることができます。結果として、その洞察がコンバージョン改善に繋がります。このデータはユーザーがサイトに到達した際に遭遇する壁の正体を暴くカギとなります。サイトがユーザーや売上を減らし続ける原因が分からないままでサイトを修正しようとするのではなく、クロールデータをうまく活用することによって、広告運用を開始する前にシームレスなカスタマージャーニーを確実に準備しておくことができるのです。
クロールデータを使用すると、その広告に適した成果を確実に得られるようになり、かつマーケティング目標の未達分の差を埋めるのに役立ちます。サイトのモニタリングとそこで得られるデータは、サイトを継続して価値あるものとする上で絶対に欠かせないものであるため、裏を返せば、広告が獲得したトラフィックがどれほどサイトに送られたとしても、ユーザーがコンバージョンに至らないことはそれほど心配する必要はありません。
DeepCrawlを使ってサイトをモニタリングする
サイトの状態をモニタリングしてサイト上の潜在的なコンバージョンに関する問題をトラッキングするツールやサービスをお探しでしたら、DeepCrawlが役に立つはずです。DeepCrawlを使用すると、定期的なクロールを設定して、コンテンツ、サイト表示速度、リンク、モバイルユーザビリティなどの問題をチェックできます。タスクマネージャ機能を使用して、サイトの最も重要な箇所における変更をアラートするよう通知設定を行うこともできます。
カスタマージャーニーとコンバージョンのためのサイトの最適化方法についてご質問がある場合、お気軽にお問い合わせください。