現時点未来について考えるのはいささか困難に思われるかもしれません。我々はいま目の前で起きていることで頭がいっぱいです。そしてこれは、世界的なパンデミックが生活のほとんどの部分に不確実性を生み出している中では当然と言えます。
しかし、マーケターとしては将来を見越した計画立案が求められる部分もあります。我々は今後の見通しを立て、それがビジネスの売上や収益、利益に与える影響を予測しなくてはなりません。感情に身を任せて業務を行うのではなく、個人的な心配事は排除し、自社ブランドに対してできる最善の業務にただ専念するということが重要です。
仕事は自分の感情から離れて客観的に業務を考える上での気晴らしになるばかりでなく、真の意味で自社ブランドの進歩をもたらすために必要な、重要なデジタルマーケティングプロジェクトこそが重要になります。特にデジタルファースト時代に突入した今(後述)、適切なSEO計画とアクションを実施することで、長期的に良い影響を与えることができるでしょう。
このブログ記事を、今後のデジタルマーケティング業務のインスピレーションを得るためのヒントとしてご活用ください。この記事では、SEOへの投資の重要性が増している理由や、それに基づいて実施すべきアクションをご紹介します。
デジタルファースト時代の到来
2020年は私たちの社会を早送りするかのように急速な変化をもたらした年になりました。ずっと先の未来のことだと考えていたことですが、今やすべてがデジタル上で実現する時代になったのです。新型コロナウイルスの流行前、消費者はより自由に多くの選択肢から好きな方法で買い物をすることができていました。今では、消費者は可能な選択肢の中でしか買い物をすることができません。
ロックダウンやマスク着用、入店可能客数の制限といったさまざまな買い物時の制限が消費者が抱えるコロナウイルス感染の不安と組み合わさり、多くの消費者がまずインターネット上で購買行動を行うようになっています。このことが、まさに「デジタルファースト」の時代と呼ばれるゆえんです。DeepCrawlは、ブログ記事で小売業は今年もはやリアル店舗への客足に期待できないという見解を述べています。
こうした買い物における消費者行動は定着していくと思われ、マーケターは小売業界が進んで行く方向にキャッチアップすることがこれまで以上に重要となっていくでしょう。
今こそサイトの整備を行なうとき
現在、より多くの人がオンライン上で購買を行うようになっていることから、将来的には次のようになっていくと考えられます。
- 有料広告の競争率が高まり、(広告表示のための)が入札数が増える可能性がある
- D2C(direct to consumer)ブランドなど、より多くの競合企業がインターネットに主戦場を移した小売業界を席巻する
- サイト上のレガシー問題の解決が必要になる
- ECサイトのSEO施策がより重要になる
SEOが今、非常に重要である理由
主要なショッピングイベント(ブラックフライデーやサイバーマンデー、あるいはホリデーシーズン前)であろうと、日々の買い物だろうと、すべてのオンライン上の小売業者は消費者の需要に応えて収益を獲得したいと考えています。
今後の有料検索広告における競争が激化し先行きが読めなくなる可能性はすでに述べた通りです。これはトラフィックおよびコンバージョンの獲得を検索結果上部への表示に依存しているサイトの場合は特にシビアな問題となるでしょう。SEOへの理解を深めることで、デジタルマーケティング戦略全体を見直して将来の動きに備えておくと良いでしょう。
SEOは長期的な戦略ではありますが、マーケティングに安定性をプラスすることも期待できます。サイトが適切に最適化、すなわち厄介な技術上の問題が無い状態になっていれば、有料広告の入札に失敗した場合でも商品ページや商品カテゴリページがSERPに表示されるようになります。
D2Cブランドの存在を意識する
業界における新たな競合は、D2C(direct to consumer)ブランドです。D2Cは仲介業者を通さずに直接消費者に自社の製品を販売・発送するEC事業者です。
- D2Cブランドのサイトは一般的なECサイトに比べて小規模のため、サイトの管理が比較的容易。
- D2Cブランドの製品の多くは1つのメインカテゴリに属している可能性が高いため、D2Cサイトはユーザーの検索意図に対する関連性が非常に高い。
- D2Cブランドは強い想いや特徴をもって創立されることが多く、ユーザーはSERPにおいてそうしたブランド名を信頼のおける小売業者として認識する。
小売業は過去数年間で分析してきた従来の競合企業の枠を超えた、オンライン上で激化する競争に備えるため、こういったことを留意していて損はありません。
実行するべきアクション
ここまでで、SEOの重要性が高まっている理由がお分かり頂けたと思いますので、次はどんなアクションを取るべきかについて少しご説明します。
ECサイトでよくあるSEOの問題を解決する
まず手始めに、Ruth EverettによるECサイトが抱えるよくあるSEO上の問題という詳細なブログ記事を読むと良いでしょう。Ruthは記事の中で、リンク構造から質の低いコンテンツまで役に立つポイントをカバーしており、自社のECサイトがいくつかの領域で問題を抱えている場合は必読の内容となっています。
特にECサイトの成功の存否を証明するデータが不足している場合は、現在使用しているものよりも幅広い機能を持つツールが必要になるかもしれません。今までDeepCrawlをご利用いただいたことがない場合、DeepCrawlサイトのECサイト向けサービスのページをぜひご覧ください。
需要拡大時期を予測する
通常の営業サイクルとは別に、日々のニュースにも注目するようにしましょう。多くの地域でコロナウイルスの感染が拡大する中で、必要な物の購入をネットショッピングに頼る人が増えています。
サイトへのトラフィックを増やすことだけでなく、多くの消費者が探しているであろう商品の種類も考慮に入れなければなりません。アパレル事業者であれば、イブニングドレスや仕事着は優先度が低くなり、一方でルームウェアやトレーニングウェアはより需要が高まるでしょう。
念のためお伝えしますが、サイトのナビゲーションが消費者のニーズに沿ったものになっていること、それに合わせて商品のランディングページや商品説明の作成および最適化ができていることを確実にしておきましょう。大規模なキーワード調査やページ上の最適化プロジェクトに取り組んでいる場合、タスクの優先順位が適切か検討する、または一部の業務を優先的に行う必要があります。
他チャネルをないがしろにしないこと
最後に1つお伝えしたいことは、SEOに対応するために、すべての実施中の他マーケティング活動を止める必要があるとは考えないでいただきたいということです。時期や商品によっては、有料検索広告を利用した方が良い場合もあります。
重要なのは、1つのチャネルに過度に依存しないことであり、物事が予定通りに進まない場合もトラフィックや売上を(別ルートで)獲得できる施策を行っておくことです。SEOはこうしたことを行なう上で役立つとともに、多くの場合より良いユーザー体験をもたらします。
SEOは会社と顧客の双方にとって良い効果をもたらすものなのです。